GREAT MASTERS

日本人の持つ感性を刺激したい。

久住 有生

左官職人 久住 有生
兵庫県淡路島生まれ。祖父の代から続く左官の家に生まれ、高校3年生の夏に渡欧したスペインにて、アントニ・ガウディの建築を目の当たりにし、その存在感に圧倒され開眼、左官職人を目指す。いまでは国定重要文化財である「旧桜宮公会堂」を手掛けるなど、重要文化財などの歴史的価値の高い建築物の修復ができる左官職人として、国内だけにとどまらず、海外からのオファーも多い。

建物にはその土地にあった建て方があります。台風の多い地域では南側の開口部を大きくしない、地震の多い地域では屋根を重くしないなど、昔から受け継がれている地域の建築法が存在しています。土壁もまた、その土地の土を使うことで強度が増したり、周辺環境との調和が生まれたりと、ちゃんと意味を持っています。当然、手塗りの土壁は時間も手間もかかりますが、そうして作られた建物は長く使えますし、手入れをすることで味わいも増していく。人が長く住むことで建物も熟成されていくんです。
私は、海外の建築に関わる度に、日本人は豊かな感性を持っていると感じます。お寺や古い建築物を見て心躍ったり、落ち着いた気分になるのは、日本人が風土によって培われた感性を持っているからなのだと思うのです。土壁は使い方一つで、さまざまな表情に変化します。
和室にこだわらず、お施主さんの人柄に合わせて、「家にいると自然と心穏やかになる。」そんな美的センスを刺激する家づくりのお手伝いをしたいと思っています。